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数学bot (https://twitter.com/mathematics_bot) の解答を作ってみるブログ。 投稿されたオリジナル問題を中心に。各出題者ごとの問題採番はバルム氏のまとめ(http://balm.web.fc2.com/mathmatics.pdf)に準じています。
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xyグラフ上に直線Lがある。Lはx軸とy軸とで、面積と周長が次元を無視して等しくなるような三角形Tを成しながら動く。
1)Tの面積Sの範囲を求めよ。
2)Tの斜辺の中点の軌跡を図示せよ。
3)Lが相異なる4つの傾きで通過する領域を図示せよ。(cruz__F様)

## 3)は「存在しない」が答えなので、「領域を通過する回数ごとに分類せよ」に読み替えて解く


三角形の面積は 1/2×内接円半径×周長で求められる。
よって、三角形 T の内接円半径は 2。
また、内接円はx軸とy軸に接するので、これは (x±2)^2 + (y±2)^2 = 4 なる円である。

第一象限の場合、(x-2)^2 + (y-2)^2 = 4
ただし、これに外接して三角形ができるためには、L との接点は x>2 かつ y>2 部分に限る。
他の 3 つの円に関しても同様に接点は |x|>2 かつ |y|>2 部分に限る。

よって、L は以下の 8 つの直線・曲線で囲まれた領域 P の曲線部に外接するように動く。
・ (x-2)^2 + (y-2)^2 = 4 (x>2 かつ y>2)
・ y = 4 (-2≦x≦2)
・ (x+2)^2 + (y-2)^2 = 4 (x<-2 かつ y>2)
・ x = -4 (-2≦y≦2)
・ (x+2)^2 + (y+2)^2 = 4 (x<-2 かつ y<-2)
・ y = -4 (-2≦x≦2)
・ (x-2)^2 + (y+2)^2 = 4 (x>2 かつ y<-2)
・ x = 4 (-2≦y≦2)


1)
三角形の周長は頂点と接点を結ぶ 6 本の線分の長さの合計だから、
接線の長さの性質を用いて 周長 = 斜辺の長さ×2+4

斜辺は傾きが ±1 の時に最短となる。
このとき三角形 T は直角二等辺三角形となり、斜辺の長さの最小値は 2(2√2+2) = 4+4√2
一方、斜辺は傾きを 0 や ∞ に漸近させればいくらでも長くすることができるので、
周長のとる範囲は 12+8√2 以上の全ての実数。

いま、三角形 T は周長と面積は等しい。
よって S ≧ 12+8√2


2)
第一象限の場合を考える。
接点を (2+2cosθ, 2+2sinθ) (0<θ<π) とすると、
L の式は (x-2)cosθ+(y-2)sinθ=2
x = 0 とすると y = 2 + 2(1+cosθ)/sinθ
y = 0 とすると x = 2 + 2(1+sinθ)/cosθ

よって中点の座標を (X,Y) とすると、
X = 1 + (1+cosθ)/sinθ, Y = 1 + (1+sinθ)/cosθ
X-2 = (1+cosθ-sinθ)/sinθ, Y-2 = (1+sinθ-cosθ)/cosθ

(1+cosθ-sinθ)×(1+sinθ-cosθ) = 1 - (1-2sinθcosθ) = 2sinθcosθ なので
(X-2)(Y-2)=2

0<θ<π より X>2, Y>2 に注意すると、第一象限での中点の軌跡は
双曲線 (x-2)(y-2)=2 のうち軸と交わらない方の曲線だけ。
他の象限も対称なので、全てあわせると以下の 4 曲線。

・ (x-2)(y-2)=2 (x>2 かつ y>2)
・ -(x+2)(y-2)=2 (x<-2 かつ y>2)
・ (x+2)(y+2)=2 (x<-2 かつ y<-2)
・ -(x+-)(y+2)=2 (x>2 かつ y<-2)

3)
L は最初に述べた領域 P に外接(直線部分を除く)する。
しかし領域 P は凸な図形であるので、
L がこの周りを一周しても同じ地点を 4 回通ることはありえない。

通る回数別に領域を分類する。

2 回通過する領域
・領域 P の外側(境界は含まない)、ただし 4 直線 y=±4, x=±4 上を除く

1 回通過する領域
・領域 P の境界のうち円弧部分
・4 直線 y=±4, x=±4 上、ただし 4 点 (±4,±4) (複号任意) と領域 P の境界線分上を除く

通過しない領域
・領域 P の内部、および境界のうち線分部分
・4 点 (±4,±4) (複号任意)


予想:
出題者は自分で計算した時に、(x-2)^2 + (y-2)^2 = 4 が
内接円ではなく斜辺側の傍心円になる場合も加えてしまったのだと予想。

私は計算が面倒くさくて避けましたが、愚直に「縦+横+斜辺=面積」を解いた時に
「斜辺^2=縦^2+横^2=(面積-縦-横)^2」をやると実は「縦+横-斜辺=面積」の場合もあわせた解が出てしまって、
その紛れ込んだのがまさに「内接円ではなく斜辺側の傍心円になる場合」のはず。

この場合だと 4 回通る領域もそこそこあって面白い答えが出そうですが、しかし……。
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