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数学bot (https://twitter.com/mathematics_bot) の解答を作ってみるブログ。 投稿されたオリジナル問題を中心に。各出題者ごとの問題採番はバルム氏のまとめ(http://balm.web.fc2.com/mathmatics.pdf)に準じています。
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長方形ABCDの辺AB,AD上にそれぞれ点E,Fがあり、AB,AD,AE,AF,CE,CF,EFの長さが全て自然数となっている。このような長方形ABCD及び点E,Fの組は相似なものを除いても無限に存在することを示せ。(hararan_2010様)


n は 2 以上の自然数とする。

xy 平面上に以下のように長方形 ABCD を置く。
A(0, 0), B(2n(n+1)^2, 0), C(2n(n+1)^2, n^3(n+2)), D(0, n^3(n+2))

このとき AB = n(n+1)^2 と AD = n^3(n+2) は自然数である。

E(2n(n+1) ,0) とする。
AB/AE = n+1 > 1 より AB > AE なので、点 E は辺 AB 上にある。
AE = 2n(n+1) は自然数である。

F(0, 2n+1) とする。
AD/AF = n^3(n+2)/2(n+1/2) > 1 より AD > AF なので、点 F は辺 AD 上にある。
AF = 2n+1 は自然数である。

このとき、

CE^2 = {2n(n+1)^2-2n(n+1)}^2 + {n^3(n+2)}^2 = n^4 (n^2+2n+2)^2 より
CE = n^2 (n^2+2n+2) は自然数である。

CF^2 = {2n(n+1)^2}^2 + {n^3(n+2)-(2n+1)}^2 = (n+1)^4 (n^2+1)^2 より
CF = (n^2+1)(n+1)^2 は自然数である。

EF^2 = {2n(n+1)}^2 + (2n+1)^2 = (2n^2+2n+1)^2 より
EF = 2n^2+2n+1 は自然数である。

よってこの長方形 ABCD および点 E, F は条件を満たすものである。

いま、AB/AD = 2(n+1)^2/n^2(n+2) は n の値によって無限に値を取るので、
n を順次増やして長方形 ABCD を作り続ければ条件を満たす相似でない図形は無限に作成できる。



方針解説:

三辺が自然数の直角三角形の各辺の長さは m^2+n^2, m^2-n^2, 2mn と書けることが知られている。
そこで自然数 k>m>n として
AF = m^2-n^2, FD = k^2-m^2 とおいてみると、BC = k^2-n^2 となりいかにもな表現になる。
そして AE = 2mn, EB = 2kn とすれば EF = m^2+n^2 と CE = k^2+n^2 が自然数になることが保証される。

なのであとは CD = 2mn+2kn が 2km に一致すれば、
CF = k^2+m^2 が自然数であることが保証され、条件を満たすということになる。

2km = 2mn+2kn を変形すると (k-n)(m-n) = n^2 なので、
例えば k-n = n^2, m-n = 1 としてやればよいことがわかる。
このとき k>m>n は n≧2 について全て満たされることが確認できる。
よって、k = n(n+1), m=n+1 としてこれら全ての長さを書きなおしてやればよい。
平方への整理も k, m, n で書いたものを見ればまじめに計算したふりだけでよい。

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