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数学bot (https://twitter.com/mathematics_bot) の解答を作ってみるブログ。 投稿されたオリジナル問題を中心に。各出題者ごとの問題採番はバルム氏のまとめ(http://balm.web.fc2.com/mathmatics.pdf)に準じています。
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実数全域で2階微分可能な定数関数でない実関数h(x)が任意のx,yについて次の2式
h(x+y)=h(x)h'(y)+h'(x)h(y)
h'(x+y)=h'(x)h'(y)-h(x)h(y)
を満たす。この時{h(x)}^2+{h'(x)}^2=1を示せ。(nyoki1007様)


まず、{h(0)}^2 + {h'(0)}^2 = 1 を示す。

それぞれに x=y=0 を代入すると、
h(0) = 2 h(0) h'(0), h'(0) = h'(0)^2 - h(0)^2
h(0)≠0 のとき、h'(0) = 1/2 より h(0)^2 = -1/2
しかし h(x) は実関数なのでこれはありえない。
ゆえに h(0)=0

h(x+0) = h(x)h'(0) + h'(x)h(0) = h(x)h'(0) で、
h(x) は定数関数ではないので h'(0) = 1
したがって {h(0)}^2 + {h'(0)}^2 = 0^2 + 1^2 = 1


次に、{h(x)}^2 + {h'(x)}^2 が定数関数であることを示す。

h(x+y) = h(x)h'(y) + h'(x)h(y) を両辺 x で微分して、
h'(x+y) = h'(x)h'(y) + h''(x)h(y)
これを h'(x+y) = h'(x)h'(y) - h(x)h(y) と比較すると、
h''(x) = - h(x)

よって、{ {h(x)}^2+{h'(x)}^2 }' = 2h'(x) {h''(x) + h(x)} = 0
したがって {h(x)}^2 + {h'(x)}^2 は定数関数である

以上より、恒等的に {h(x)}^2+{h'(x)}^2 = 1



おまけ:
最後の部分、微分方程式を解いて h''(x) = - h(x) から h(x) = Asinx + Bcosx
h(0)=0 から B=0 で、h'(0) = 1 から A=1
よって h(x) = sinx なので {h(x)}^2+{h'(x)}^2 = sin^2x + cos^2x = 1
と途中から直接的な解答をすることもできる。
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