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数学bot (https://twitter.com/mathematics_bot) の解答を作ってみるブログ。 投稿されたオリジナル問題を中心に。各出題者ごとの問題採番はバルム氏のまとめ(http://balm.web.fc2.com/mathmatics.pdf)に準じています。
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単位円に内接する正n角形のある1つの頂点から他の頂点までの距離の積がnになることを証明せよ。(tsatie様)


方程式 z^n=1 の解は z = exp(2ikπ/n) (0≦k≦n-1) である。
よって、z^n - 1 = Π[k=0..n-1] ( z - exp(2ikπ/n) ) と書ける。
両辺を z-1 で割れば、
Σ[k=0..n-1] z^n = Π[k=1..n-1] ( z - exp(2ikπ/n) )

この等式は両辺n次の多項式で任意の z≠1 で一致しているので、
これは z=1 の時にも成立するはずである。

n = Π[k=1..n-1] ( 1 - exp(2ikπ/n) )

この右辺の絶対値を考える。

|1-exp(2ikπ/n)|
 = √{ (1-exp(2ikπ/n)) (1-exp(-2ikπ/n)) }
 = √{ 1 - 2 cos(2kπ/n)) + 1 }
 = √{ 4sin^2(kπ/n) }
 = 2sin(kπ/n)

左辺 n は正の実数より右辺の総乗も正の実数なので、
n = Π[k=1..n-1] ( 1 - exp(2ikπ/n) )
 = | Π[k=1..n-1] ( 1 - exp(2ikπ/n) ) |
 = Π[k=1..n-1] | 1 - exp(2ikπ/n) |
 = Π[k=1..n-1] 2sin(kπ/n)

ここで、単位円に内接する正n角形において、
ある頂点とそこから k 個隣にある頂点を結んだ線分の長さは、
その垂直二等分線が中心を通ることから 2sin(kπ/n) である。
すなわち Π[k=1..n-1] 2sin(kπ/n) というのはこの問題の主題である
「単位円に内接する正n角形のある1つの頂点から他の頂点までの距離の積」
に他ならない。

よってこれは n に等しい。
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